ウインドマシン
ウインドマシンについて
ナイロンなどの化学繊維をピンと張って爪でこすってみると「シュー」という音がします。ゆっくりこすると低い音、引っ掻くように早くこすると高い音がします。自転車のスタンドを立て空転させたタイヤに化学繊維を軽く当てると連続して「シュー」という音がします、タイヤの回転速度が速い時と遅い時とでは音程が変わってきます、ウインドマシンの原理もこれに似ています。
写真のウインドマシンを見ると、何本もの木の横棒があるのが解かります。この1本1本が三角柱になっていて爪と同じ役割をしています、これにナイロンやテトロンのような布(昔は絹帯)を接触させてハンドルを廻すと「シュー」という音がします、回転の速さを変えたり、布の種類や大きさで音の違いを出していくのです。ゆっくりと回転させれば「低音の風」、速く回転させれば「高音の風」と言った具合です。
ウインドマシン本体の大きさでも様々で、小型のもので「隙間風」、大型のもので「嵐」といった使い分けをするのです。
音の演出としては、最初はゆっくり廻していた弱い風を芝居に合わせて強風に変化させたり、雨音をプラスして台風などの風雨を表現したりするのです。
昔は解からなかったのですが、近年の音響機器の進化はめざましくウインドマシンで録音した音をそのまま放送すると、ただ「布がこすれている音」にしか聴こえない恐れがでてきたので、近年はウインドマシン単体で音を作ることは無くなり、何らかの加工をほどこして風の音を作っています。
ウインドマシンの音を聞く
ウインドマシンを作ってみよう!
用意するもの
- 500mlの空ペットボトル(※1)…2本
- わりばし(角型 割ってあるもの)…13本
- さいばし(丸型 太)…1本
- 空き箱(紙製 深さ7~8cm位)…1箱
- ナイロン生地15×35cm程度(※2)…1枚
- 布ガムテープ
- カッター
- はさみ
※1…丸型(円柱)のもの
※2…カサやウインドブレーカーなどの厚手で表面がザラザラした生地、絹帯なら尚Good
作り方
ペットボトルの飲み口側(カーブが終わって真っ直ぐになる辺り)を切り取る。
テーブルなどを傷つけないように雑誌等を台し、ペットボトルのフタを外して平らな方を下に凹型に置く。刃を少し出したカッターを上から押すようにして十文字の切れ込みを入れる。
※カッターを使用する時には、手を切らないよう注意してください!
ペットボトルの飲み口に切り込みを入れたフタを締め戻し、飲み口同士が内側にくるよう“さいばし”に差し入れ、ペットボトルの切り口が“わりばし”の長さにそろう程度の幅で取り付ける。
30cmの長さのガムテープを2本用意し、2本とも両端から半分の幅で5cmくらい切り取る。
“わりばし”の「太い方」「細い方」が上下交互になるよう、1.5cm位の間をあけながらガムテープに13本貼り付けていく。
13本貼り付けたら、ガムテープの真中から折って“わりばし”にかぶせるように貼り、固定する。
3を5の上にのせ、切りの越してあるテープで2つのペットボトルの端を固定し、軽く押さえながら転がすようにしてペットボトルに巻きつけ、巻き終わりのガムテープをしっかりと貼り付け図のような形に仕上げる。
“さいばし”の細い方の端から2cmぐらい内側に1cm程度のひも状にしたガムテープを、ちょっと厚めに巻きつけておく。
ペットボトルが宙に浮くくらいの深い紙箱を用意し“さいばし”が乗るように切れ目を入れ、外側に向って折っておく。
紙箱の切り込みに7をセットして“さいばし”が切り込みの上部から抜けてしまわないように、小さく切ったガムテープで切り込みの上だけフタをするように止めておく。
箱の片側に用意した布をはりつけ、もう片側は7の上にかぶせるようにしてたらしておく。
完成
たらした側の布を軽く手で引っ張り、“さいばし”の太い方を指でクルクルと回し「シュー・シュー」と高目の音が出るよう、力を加減して布を持つ。
“さいばし”を早く回したり、ゆっくり回したり強弱をつけると風の音らしくなります。




風の音の録音について
30~40年前の録音機材は今の機材とは比べ物にならないほど粗末な物で、マイクひとつを取ってみても、リボンマイクやダイナミックマイクぐらいしかなく、リボンマイクにいたってはマイクの振動体が銀箔などで作られているため、マイクテストなどと言って息を吹きかけるだけで壊れてしまうような機械でしたので実際の風の音などを録音するなど到底無理な事でした。
そもそも「風」自体には音がありません。風が物にぶつかったり、物の隙間を通り抜けることによりはじめて「音」になるのです。例えば風の強い日に電線の近くに行くと「ピュー」という音がします、樹木の多い所では「サァー」という音が聴こえます、人間はこのような音を「風の音」として認識しているのです。
現在のマイクは性能もよくなり昔のように壊れてしまうような事はありませんが、マイクの振動体が直接風に吹かれてしまうと、まるでウチワで耳元を扇ぐと聴こえるような「ボーボー」という音が鳴ってしまうため、それを防ぐための「風よけの籠」を付けることにより「風」の音を録音できるようになりました。しかしその風音自体ではあまりにも現実的な音なので場合によってはウインドマシンの音を混ぜて効果のある音に作り上げる必要があるのです。
田久保 貴昭






