水音

まず身近な水音としては、水道・トイレ・風呂などがあります。普段、聴き慣れた音ではありますが、目を閉じ、情景をイメージして聴いてみると、水道は“小さな沢のせせらぎ”、シャワーは“雨音”に聞こえるかもしれません。そもそも水音というのは、今流行の「癒し系」の音の1つです。例えば、海へ行って波の音を聴くと心が落ち着きます。恐らく波の音が母親の胎内の音に似ているからでしょう(母なる海)。川のせせらぎなどもそうです。また、人工的な音として噴水がありますが、清涼感という意味ではやはり「癒し系」の水音です。ただし、全ての水音が「癒し系」の音というわけではありませんが…

水音の表現

水滴

真夜中、静かな台所で水滴がポタポタと落ちていると、寂しい感じ、あるいはサスペンスな感じになります。また、水滴にエコーを付けると洞窟になります。

流れ

コップの水をコンクリートなど硬い床に垂らすと、血の滴りになります(実際には少量の小麦粉などを加えてトロ味を付けるとリアル)。当然、流す水の量を多くすれば川のせせらぎです。さて、このサラサラと流れる川音ですが、録音したテープの速度を落としていくと溶岩の流れる音のようになり、更に速度を落とすと地鳴りのようになります。言葉で表すと、≪サラサラ→ドロドロ→ゴ~≫という具合です。

浜辺の波は夏のビーチ、あるいは恋愛的表現。岩場に砕け散る波は力強さ。断崖の波は高さや恐怖感を出します。

シャワー

番外編としてシャワーです。実際にシャワーを浴びている時の音は“シャー”という細かい雨のような音と“ビチャビチャ”という水の落下音です。この2つの音を上手く使うことによって、あたかも人がシャワーを浴びているように表現することができます。逆に“ビチャビチャ”という動きのある音を無くし、“ シャー”という音だけにすると無人のイメージ(殺人・自殺等)になります。

[写真:水音収録用水槽]
水音収録用水槽
[写真:水の流れを変える為の砂利]
水の流れを変える為に砂利もあります。
[写真:シャワー]
シャワーも設備

波音・川音を録る!

波の収録

波に限らず、音を録る時のポイントは音源とマイクの距離です。波打ち際にマイクを向けると、浜辺では“ザブ~ン・サー”というメリハリのある音になり、50メートルくらい浜へ上がって録音すれば“ゴー”という潮騒の感じになります(地形と波の高さにより多少の違いがある)。マイクが風に吹かれて“ボー・ボボー”という雑音が入らないように体で風除けをすることもあります。

川の収録

流れの近く、あるいは瀬にマイクを向けると“サラサラ”というせせらぎが録れます。地形による流れ方の違いにより、同じ川でも何種類もの音が録れます。流れさえあればどんな川でもいいのです。音だけ聴いていればドブ川でも清流に聞こえるものです。

今回は身近な音として水音をテーマに解説しましたが参考になったでしょうか?普段、何気なく耳に入ってくる音ではありますが、少し違った角度で聴いてみると案外、ストレス解消になるかもしれません。

田久保 貴昭

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