鳥の鳴き声による効果音のイメージ

季節のイメージ

古文の季語に似た扱いとして、音響効果の世界では鳥を用いることがしばしばあります。効果マンの好みにもよりますが、都心の住宅街では以下のようなイメージをもって音作りをしています。(但し現実にはヒヨドリなどは季節を問わず一年中鳴いています)

春のイメージ

ウグイス・ヒバリが代表的です

夏のイメージ

シジュウカラ・オナガが代表的

秋のイメージ

モズ・ムクドリ等ですが、秋は初秋と晩秋での使い分けが微妙なのでこの限りではありません

冬のイメージ

ヒヨドリ・ジョウビタキ特に冬枯れのシーンには一羽で鳴いているヒヨドリがよいと思います

時間としての表現

朝のイメージ

スズメ何と言ってもこれでしょう、最近は住宅事情によりニワトリはあまり耳に出来ません

昼のイメージ

特に限定されたイメージはありませんが、その季節に併せてヒヨドリ・ノゴマ・ノビタキなどを使います

夕方のイメージ

とにかくカラスでしょう。童謡の「夕焼けこやけ」の詩からも想像できるメジャーな夕方のイメージです

夜のイメージ

都心の住宅街ではほとんど使いませんが、緑の多い場所や山間部ではヨタカ・フクロウなどを使います

心理的な表現

平和なイメージ

ヒバリ・ノビタキは代表的なものです。
ただし、ヒバリにとってみれば、なわばりを主張するために必死で鳴いているのですが・・・・

恐怖のイメージ

カラスの大群の声、ヒッチコックの映画で「鳥」があまりにも有名です
静まりかえった森の中でカケスがギャーと鳴くなどもイメージとしてはおもしろいです

場所による表現

山間部のイメージ

時間と季節は抜きで分類すると山間部の見晴らしの良い場所ではカッコウがわかりやすいと思います

水辺のイメージ

河川・湖沼においては環境にもよりますが、マガモ・ヨシキリ・サギ類が、海辺ではカモメ・ウミネコなどが代表的なイメージです

鳥笛

歌舞伎の世界では、鳥は笛での表現になります。写真を見ると分かりますが、鳥の鳴き声によって笛の大きさや形状が異なっています。歌舞伎の効果マンはこれらの笛を巧みに吹き分け鳥の芝居を演じます。

まとめ

今回は鳥がテーマでしたが、いかがでしたか?普段あたり前にさえずっているので、なかなか耳に入ってこない音の一つですが、少しだけ耳をかたむけてみると同じ場所でも時間や天気、季節、個体数による違いが分かるはずです。

さて、自然界での鳴きのパターンがつかめたとして、ドラマや映画を見てみましょう。例えば朝のシーン、朝食など具体的なセットが無くても、スズメが鳴いていれば朝であることが一目瞭然です。逆にそういった定番の使い方をしないことにより別の効果を出すこともあります。例えば真っ昼間でも寂しい山間で一羽だけカラスを鳴かせると不安感や恐怖感が出ます。また、回想シーンなどでは、人物や時間の説明として鳥を使うこともあります。この様に効果音の世界では鳥の使い方は様々でこれといった決まりはありませんが、視聴者を作品の中にのめり込ませる音のアイテムが鳥なのです

制作部 田久保貴昭

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